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松下、鹿島、大成など、産廃管理票の電子化加速

2008/05/29

ニュース

電機や建設大手が産業廃棄物の処理記録票(マニフェスト)情報を電子化して管理する動きを加速している。松下電器産業は工場に加え、保守拠点などにもシステムを導入。大成建設や鹿島は全工事現場への導入を目指す。今年度から産廃の処理情報を自治体に報告することが義務化されたのに対応する。従来の紙伝票のやりとりより作業が効率化し、不法投棄の抑制にも役立つ。

松下電器産業は2008年度中に国内の工場、物流・保守拠点への電子管理システム導入をほぼ完了させる。約90の主要工場に導入しているシステムを、非連結のグループ会社の工場や物流・保守拠点にも広げる。08年度末の導入先は計約250拠点になる見込みだ。

単純に処分状況をパソコン上で入力・管理するだけでなく、デジタルカメラや全地球測位システム(GPS)を使い産廃の積み下ろしや運搬経路まで確認できるシステムを追加、不法投棄などを防ぐ。

これまでの産廃処理の管理は、収集・運搬や処理業者が紙の伝票に処理内容を書き込み、排出企業に戻して集計するのが一般的。伝票を紛失したり内容が改ざんされたりするリスクが指摘されていた。

廃棄物処理法では、排出事業者が処理状況を都道府県や政令市に報告することを義務付ける。これまで規定の適用が猶予されていたが、政令が変わり、排出する事業者は08年6月末までに前年度の状況を報告するよう求められている。

環境省によると、06年度に新たに確認された不法投棄量は13万1000トン、件数で554件。ともに前年度よりやや減少した。ただ目に付かないところでは不法投棄されているとみられ、リスク管理を怠れば産廃を排出する企業の経営に大きな影響を与えかねない。管理の徹底のためにも電子化を進める動きが相次いでいる。

キヤノンは取手事業所(茨城県取手市)など主力生産拠点には導入しており、10年度をめどにほぼ全拠点に広げる計画を進めている。

建設業界では大成建設が1年間に発行する30万―35万枚の管理票の電子化を進める。07年度末では全管理票の40%強だが「早期に100%に近づける」(同社)計画だ。収集・処理を委託する企業が利用しやすいよう、携帯電話などでデータ送信できるシステムを開発した。鹿島も08年度中に国内12カ所の全支店にシステムを導入し、10年度には発行枚数の8割を電子化する。

今後は報告業務の効率化などを狙って「電子化に対応できる業者と取引する」(ゼネコン大手)企業が増えそう。政府は10年度には利用率を現状の5%から50%へ引き上げる目標を掲げている。

出典:日経速報ニュース

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