有害廃棄物の全量撤去で合意 県対策委、栗東の産廃処分場問題で
2008/03/24
ニュース
滋賀県栗東市のRDエンジニアリング(破産)の産廃処分場問題を話し合う滋賀県の対策委員会が21日、大津市内で開かれ、違法処理された有害廃棄物の全量撤去する案を委員会報告として答申することで合意した。ただ、撤去を進めるには責任者に対して県が措置命令を出す必要があるが、全量撤去を命じる法的根拠が不十分との指摘もあり、答申を受ける県が採用するかは不透明だ。
合意した全量撤去案は、許可品目外の有害廃棄物や汚染された土壌を搬出し、処分場外で処理する工法で、委員18人のうち3委員が提案していた。県の試算では、工期約13年、費用は少なくとも242億円かかるとしている。
対策委では、前回会合で合意した有害物を除去するとの方針に基いて提案された7つの工法案を協議、全量撤去案が出席委員の過半数を占めた。
一方、委員長の岡村周一・京都大大学院教授が「責任者に措置命令するのだから、全量撤去だと(対策が過大だとして)逆に県が訴えられる可能性もある」と慎重な姿勢を示したほか、別の委員も「長期の工事であり、(騒音など)周辺住民への影響も検討すべき」と注文を付けた。
その他の工法案のうち、処分場の周囲を遮水壁で囲って浄水処理と覆土を行う案と、環境に影響のある廃棄物のみを除去して封じ込める案については、少数意見として併記する。26日の最終会合で知事への答申をまとめる。