最終処分場建設問題 田辺市長に秋津川町内会が受け入れを報告 和歌山
2009/10/22
ニュース
紀南11市町村の一般・産業廃棄物処分場建設問題で、建設候補地に上がっている和歌山県田辺市秋津川地区の坂本瑞夫町内会長らが21日、紀南環境整備公社の理事長を務める真砂充敏市長を訪ね、調査の受け入れ決定を報告した。
これですべての候補地が調査受け入れに同意したことになり、真砂市長は「ようやく次の段階に進める。公正で客観的な現地調査にしたい」と話した。
秋津川地区には竹藪▽下村▽谷川▽中村-の4区があり、候補地は竹藪区内にある。17日に中村区の総会で調査の受け入れが可決され、全区の同意がそろった。
平成18年4月に公社が選んだ建設候補地は串本町高富地区2カ所▽田辺市秋津川地区2カ所▽田辺市稲成町-の5カ所で、田辺市稲成町と串本町高富地区はすでに調査の受け入れを表明している。
公社によると、候補地の選定以降、住民からは選定過程への疑問や、環境への影響を心配する声が上がったという。また田辺市秋津川地区は市民の飲料水となる左会津川の源流を抱えており、市民への影響を懸念する声も出されたという。
公社は11月中旬の理事会で調査実施の承認を受け、地元住民に内容を説明した上で22年2月をめどに地形や地質、地下水などの調査に着手したいとしている。
ただ、調査に1年、さらに建設地が決まり地元の同意を得た後、環境影響調査や設計、工事などを経て供用開始までに5年はかかると見込まれる。榎本和彦事務局長は「現段階で計画から3年半遅れている。各地区の代表者と早急に会って事業を進めたい」と話した。
最終処分場は紀南地域で出される一般・産業廃棄物の埋め立て処分場として、約50立方メートル、15年分のゴミを処理できる施設として計画された。総工費60~70億円が見込まれている。
出典:産経ニュース