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明野処分場 操業停止長期化か

2010/10/09

ニュース

 漏水異常検知 原因究明策決まらず搬入業者離れも

 北杜市明野町の廃棄物最終処分場「県環境整備センター」(明野処分場)で漏水検知システムが異常を検知した問題は、操業停止が長期化する様相を呈している。

 処分場を運営する県環境整備事業団は、埋め立てた廃棄物を掘り起こして原因を究明する調査を行う予定だが、埋め立てたアスベストの安全な掘削方法などが決まらず、着手できない状況。

 懸念されている遮水シートの損傷が確認された場合、構造上問題ないかを含めた対応の検討が必要で、県幹部は「相当期間、操業がストップする」と不安を抱く。搬入料金を引き下げて搬入業者を確保した処分場だが、業者からは「操業停止が長期化すれば、搬入先を変更せざるを得ない」という声も出始めている。

 処分場では、3層構造の最上部に当たる上層遮水シートに設けている漏水検知システムが、12地点(1地点=4メートル四方)で最高50ミリアンペアという計測上限の異常値を記録した。遮水シートが破損している可能性が高いが、これまでに処分場の地下集排水管への漏水は確認されておらず、汚水の流出など環境への影響はないという。

 異常値を示した区域には、アスベストを含む水道管やスレートなどの廃棄物が、底面部から約5メートル埋め立てられている。

 同事業団は安全な掘削方法を検討しているが、除去した廃棄物の保管場所を含めて具体策は未定。掘削前には専門家や地元住民らでつくる「安全管理委員会」を開いて説明することも考えているため、来週中の着手も困難な見通しだ。

 この区域では最近、重機を使った掘削作業を行っておらず「人為ミスの可能性は極めて低い」(同事業団)とみられる。掘削調査で遮水シートの損傷が確認できた場合について、損傷の原因について設計業者や施工業者への確認などが必要になる。

 遮水シートに問題がなかった場合でも「なぜ漏水検知システムが異常を検知したのか、あらためて調査しなければならない」(同事業団)という。ある県幹部は「月単位で閉めなければならないだろう」と操業停止が長期化するとの見方を示す。

 処分場は昨年5月の操業当時から搬入量が低迷し、35億円の最終赤字が出ると指摘されている。県は今年3月に搬入料金を値下げし、横内正明知事が業界団体に搬入を要請するなど利用促進を図ってきた経過がある。

 処分場に搬入している国中地域の中間処理業者は「公共関与の処分場なので不具合があれば操業を停止するのはやむを得ない」と理解を示す。

 ただ「一時保管するスペースにも限りがある。長期化するようだと、最終処分先としてあてにできなくなり、ほかの処分場へ持っていかざるを得ない」と、早急な再開を求めている。

出典:山梨日日新聞

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