日立物流、産廃処理記録を電子化 全事業所、作業量4分の1に
2008/06/16
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日立物流は2008年度中に、国内の全事業所で産業廃棄物の処理記録票(マニフェスト)情報を電子化する。従来、紙の伝票を使っていた産廃の処理記録を電子データに切り替えることで、管理や報告業務の効率を高める。今年度から産廃の処理情報を自治体に報告することが義務化された。電子データの場合は転送するだけで報告を済ませることができる。
08年度末までに全76事業所に広げる。全事業所への導入は物流業界では珍しいという。廃棄物の中身が法的に問題ないかを確認する同社の管理システムと外部と情報をやりとりする「電子マニフェストシステム」を組み合わせた。07年12月から8事業所で試験導入してきた。
年間約2300枚のマニフェストを電子データに置き換える。記入や処理にかかる作業量を4分の1程度に削減できる見込み。全事業所への展開に向け、産廃の運搬や処理を手掛ける業者にも電子化への対応を呼びかける方針だ。
マニフェストには産廃の量や種類などが記されている。産廃を排出する事業者が産廃と共に収集業者や処理業者に渡して処理過程を確認する。ただ、紙の伝票の場合は偽造や紛失などのリスクがある。自治体に報告する場合も、伝票記載の内容をまとめて報告書を製作しなくてはならず、企業の負担になっている。
電子マニフェストを導入した場合は、国が指定する代行機関、日本産業廃棄物処理振興センター(東京・中央)に内容を送信するだけで報告が済む。
松下電器産業や大成建設、鹿島など電機や建設大手もマニフェスト情報の電子管理を加速している。