日本原燃:廃棄物、ドラム缶2万本 保安院、改善報告求める
2009/09/02
ニュース
日本原燃の再処理工場関連施設から出る大量の低レベル放射性廃棄物が未処理のまま、施設内に仮置きされていることが31日分かった。工場の完成時期の度重なる延期で廃棄物の焼却装置を動かせないのが原因。
完成時期がさらに1年2カ月延期されたのを受け、経済産業省原子力安全・保安院は同日、改善策を7日後までに報告するよう、文書で異例の早期回答を求めた。
日本原燃によると、廃棄物は使用済み燃料受け入れ貯蔵施設で放射線に汚染された作業着や手袋、紙、木材など。工場完成後、付属設備で焼却し、コンクリートなどと混ぜてドラム缶に封入して保管する計画だった。
しかし、99年の稼働以降、廃棄物を焼却して減量できないため、貯蔵施設は既にほぼ満杯状態。ドラム缶約2万1000本分に及び、そのうち約8000本分はポリ袋に包んで鉄かごに入れ、あちこちの建物内に積み上げられた状態だ。
保安院は口頭で改善を再三指示してきたが、原燃は「工場が完成すれば処理できる」として対応してこなかった。
保安院は「完成延期でさらに未処理の汚染物が増える。災害の恐れもあり、可能な限り早期に改善してほしい」と求めている。
出典:毎日新聞社