携帯電話 使用済みの回収強化…大手家電量販店
2008/09/04
ニュース
大手家電量販店が、使用済み携帯電話の回収を強化し始めた。ビックカメラは8月から全27店舗に回収箱を設置し、ヨドバシカメラも6月から全19店舗で回収を始めている。携帯電話には金や銀、インジウムなどのレアメタル(希少金属)が含まれるが、回収数は減少傾向。量販店も環境配慮が求められており、リサイクルに本腰を入れる。
ビックカメラは機種変更をする消費者などに無償回収への協力を呼びかける。個人情報保護のため特殊なパンチで端末に穴を開けてデータを読めないようにし、リサイクル工場でレアメタルなどを取り出して再資源化する。「回収や運搬にコストがかかり、ビジネスとしては成立しない」(同社)が、環境対応強化のために実施を決めた。
ヨドバシは、携帯電話会社ごとに売り場で回収していたのに加え、各社共通の回収箱を独自に設置して回収率アップを目指す。ビックカメラと同様、パンチでデータの読み取りを不能にしている。
携帯電話の回収は厳格な個人情報管理が必要なため、主に携帯電話会社直系の販売店で行ってきた。しかし、電気通信事業者協会などのまとめでは、携帯電話機とPHSの回収数は、00年度の1361万台をピークに減少し、07年度は前年度比2・7%減の644万台と過去最低を記録。「写真やメールを思い出として残したり、ゴミとして捨てる人が多いため」(同協会)と言う。
最近は家電量販店で携帯電話を購入する消費者も増えており、ヨドバシカメラは「別の携帯電話会社に替えた時や、他の買い物のついででも回収できるようになれば、利便性も高まる」と話している。
出典:毎日新聞