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排水から基準値の40倍ダイオキシン 伏見・焼却灰溶融施設

2010/05/06

ニュース

 京都市が伏見区醍醐の埋め立て処分場「エコランド音羽の杜(もり)」に整備している焼却灰溶融施設で、排ガス処理装置の排水から基準値の40倍のダイオキシン類が検出されたため、6月1日の本格稼働を延期せざるを得なくなったことが30日、分かった。

 市は、プラントを製造した住友重機械工業(東京都)に原因究明と改善を求め、9月までに稼働させたいとしている。

■来月の本格稼働断念

 焼却灰溶融施設は、埋め立て処分場の延命のため、市が2004年度から整備に着手。完成すれば埋め立てる焼却灰の体積を3分の1に減らし、40年までとされる処分場の寿命を65年まで延ばせるという。

 4月5日から住友重機側が性能確認試験を実施したところ、灰の溶融時に発生したガスやちりの冷却用排水から基準値(1リットル中10ピコグラム)を大きく上回る150~420ピコグラムのダイオキシン類を検出した。

 市は14日に試運転を停止。原因が分からないうえ、本格稼働には計40日間の試運転が必要なため、6月1日稼働を断念した。

 住友重機側は「遅延損害金を支払い、2~3カ月で稼働させる」と市に謝罪。市は契約変更などはせず「遅延工事」として継続することにした。

 市は「ダイオキシン類は施設の外には出ておらず、周辺に影響はない」としており、同社IR広報室は「迷惑を掛けて申し訳ない。早急に原因を究明し、対策を立てたい」としている。

 焼却灰溶融施設は約136億円をかけて今年2月に完成し、試運転と性能確認試験をしていた。

出典:京都新聞

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