廃棄物処理のひまわり、下水の汚泥9割減量 福島大と技術開発
2009/06/12
ニュース
廃棄物処理のひまわり(福島県須賀川市、佐藤博社長)は、下水処理で生じる汚泥を9割近く減量化する技術を開発した。汚泥の微生物に蒸気を当てて細胞を破壊し、細胞の大部分を占める水分を除去しやすくする。現在は自治体などが焼却処理している汚泥を大幅に減らせるため、焼却に使う燃料や二酸化炭素(CO2)の排出削減に寄与しそうだ。
し尿や生活排水、食品工場の廃液などの下水は微生物により有機物を分解して浄化しており、残った微生物の固まりが汚泥となる。
微生物は60~90%が水分で、汚泥も通常約85%の水分を含み、排出量がかさむ要因となっている。細胞内の水分は絞ったり、天日干しをしたりしても最大約5%しか減らず、焼却場で燃やして減量化した後、埋め立て処分している。
新技術は福島大学共生システム理工学類の杉森大助准教授と共同開発した。150度の蒸気を一定時間、汚泥に当てると、微生物の細胞が破壊されて水が抜け、含水率が50%以下に減る。さらにローラーで絞り、天日干しをすると含水率が12~13%まで下がる。
出典:NIKKEI NET