廃家電をスクラップと偽装し密輸企てる 貿易会社を家宅捜索 警視庁
2014/08/23
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エアコンなどの廃家電をタイに密輸しようとしたとして、警視庁生活環境課が廃棄物処理法違反(無確認輸出未遂)容疑で、東京都中央区の貿易会社「泰和商事」を家宅捜索していたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。同課は、同社が廃棄物である廃家電を金属スクラップと偽装して密輸していたとみて実態解明を進めている。
捜索容疑は4月に環境相の確認を得ず、廃棄物であるエアコンなどの廃家電を輸出しようとしたとしている。東京税関が同月、同社がタイに金属スクラップとして輸出しようとしたコンテナの中にエアコンなどの廃家電が大量にあるのを見つけて差し押さえ、警視庁に連絡。生活環境課が6月に同社を捜索した。
廃棄物は廃棄物処理法で原則として輸出が禁止されている。転売価値がある金属スクラップは廃棄物にあたらないが、環境省は平成24年、家電リサイクル法でリサイクル処理が義務付けられているエアコンなどの家電4品目については、基準以上の分解処理がされていなければ、金属が含まれていても廃棄物とみなすように通達している。
同社は、ずさんな分解処理がされた廃家電を金属スクラップに混ぜることで、輸出できるように偽装していたとみられる。
環境省などの推計によると、24年度に廃棄処分されたリサイクル対象の家電4品目約1700万台のうち、約130万台がスクラップなどとして海外に密輸されたとみられている。
出典:産経ニュース