希少金属回収に微生物カプセル-森下仁丹が技術、来年にも実用化
2013/08/22
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製造業に欠かせないレアメタルを工業廃液から回収しようという取り組みが始まっている。実現可能にしようとしているのが、森下仁丹が開発したレアメタル回収バイオカプセル。継ぎ目のないシームレスカプセル内で金属を吸収する微生物を活動させてレアメタルを回収する仕組みで、排水処理とレアメタル回収を比較的低コストで両立できる。
バイオカプセルの本格供給に向け試運転を進める長浜工場
現在、産業用カプセル研究チーム8人で、さまざまな工場から寄せられた約50件の廃液を検討中。依頼候補の中から対応しやすい条件の廃液を絞り込み、14年初めにも顧客工場で回収を始めたい考え。パラジウムや金、白金などの回収に対応する。回収する金属によって微生物の活動条件を踏まえたカプセル設計を行う。
「廃液の前処理をしたりカプセル内の微生物数を増やすなど工夫すれば全ての廃液に対応できるが、コストメリットが下がる。経済性も考慮して正式受注を決めていく」(駒村純一社長)方針だ。
出典:日刊工業新聞