島大で硫化水素 廃液同士で中和 反応
2009/02/05
ニュース
島根大松江キャンパス(松江市西川津町)で硫化水素が発生した問題で、廃液処理施設で作業していた男性職員(50)が、酸性の廃液に、硫黄化合物を含むアルカリ性の廃液を混ぜて、中和しようとしていたことが4日、島大の調査で分かった。島大はこのために化学反応が起きて硫化水素が発生したとみて、さらに詳しい経緯の解明を進める。
島大によると、実験で出た廃液の処理手順は「廃液管理手引き」で定められている。手引きでは、実験で出た廃液はまず、各研究室がポリ容器に入れて保管し、月に一度、担当の学生や職員が廃液処理用の「環境安全施設」のタンクへ運ぶ。タンクは六つあり、廃液の性質ごとに分別して入れる。そして翌日、廃液のpH濃度を規定の数値に調節した後、ポンプを使って廃液処理業者のトラックのタンクへ移す。
3日は処理業者への搬出日で、男性職員はタンク内にあった酸性の廃液330リットルを中和するため、アルカリ性の廃液50リットルを加えた。しかし、ポンプで排出を始めた約5分後、硫化水素が発生した。松江市消防本部によると、アルカリ性の廃液には、硫化ナトリウムや硫化鉄が含まれていた。
男性職員は「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格を持ち、これまでも同じ手順で作業をしていた。島大では「今後、中和のために廃液どうしを混ぜ合わせる作業は行わない」としている。
出典先:読売新聞