岩手県の産廃処理施設が排ガスデータを改ざん
2016/07/19
ニュース
7月15日、産業廃棄物処理業「いわて県北クリーン」(岩手県九戸村江刺家)が、約7年もの間、焼却炉から出る排ガスの化学物質濃度のデータを改ざんしていたことがわかった。ただ、大気汚染防止法で定められている基準値は超えていないことから環境への影響はないとしている。
改ざんは、2009年8月から2016年4月まで行われ、従業員の内部告発で発覚。焼却炉の運転に携わる従業員13人全員が改ざんに関わっており、その回数は約1,000回に及ぶという。排ガスの化学物質濃度が、村と結ぶ公害防止協定で定められた基準値近くになると、手動で機器を操作し、数値を実際より低く入力していた。2007年に村と締結した協定は、大気汚染防止法よりも基準値が厳しく、1時間当たりの平均値は、塩化水素が80ppm(国の基準値430ppm)、窒素酸化物100ppm(同250ppm)、硫黄酸化物50ppm(同3761ppm)だった。
岩手県は、同社に改善を指示したが、法令違反ではないので行政処分は行わない。7月14日から20日まで同社は社員の法令遵守教育のため、焼却炉の運転を休止する。