岡山市の家庭ごみ“リバウンド”
2012/10/05
ニュース
ごみ収集を有料化して4年目の岡山市で、いったん大幅に減少した家庭ごみが増加傾向にある。今年度も昨年度を上回るペースといい、市はごみの減量化に対する市民の意識が薄れてきたためとして、3日まで市役所1階で減量や資源化の方法などを啓発する展示会を開いている。(末善悠太)
同市は2009年2月から、家庭ごみの収集を有料化。市民は指定ごみ袋(45リットルの場合、1枚50円)を購入する必要がある。08年度は16万トンを収集していたが、「ごみ袋の枚数を抑えたい」という気持ちが働いたためか、09年度は13万4000トンと大幅に減少。10年度も13万3000トンに減っていた。
ところが、11年度は13万7000トンに増加。事業系ごみ(11年度8万1000トン)は10年度と同じで、市は「有料化から時間がたち、家庭で分別の重要性に対する意識や有料化への抵抗感が薄れてきたのでは」とみる。有料化は県内27市町村のうち21市町村で実施しているが、1997年に有料化し、順調に減っていた津山市でも2010年度に増加に転じたという。
岡山市は3年前から、全国の政令市と合同で、ごみの減量(リデュース=Reduce)、部品の再利用(リユース=Reuse)、原材料としての再生利用(リサイクル=Recycle)の「3R」に取り組み、今年3月に改訂した「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」に、レジ袋を使わないなどごみの発生抑制(リフューズ=Refuse)を盛り込んで取り組みを強めてきた。
しかし、ごみの増加は市民への啓発が行き届いていない証拠だとして、産官学連携組織「市エコ技術研究会」(会長=藤原健史・岡山大教授)とともに、「4R啓発展」を企画した。
会場には、天ぷら油からバイオディーゼル燃料(BDF)を作る装置や、生ごみを堆肥に変える「段ボールコンポスト」の見本などを展示。生ごみの85%が水分で、絞って捨てることで量を減らすなどの方法を紹介するコーナーも設けている。
展示に協力している同市エコ技術研究会事務局長の児玉次雄さん(61)は「ごみを減らそうという小さな心がけが、環境を良くすることにもつながる」と話している。問い合わせは市環境企画総務課(086・803・1292)。
出典:読売新聞