山元の集団移転先に医療廃棄物 92年以前投棄か
2013/09/03
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東日本大震災で被災した住民の集団移転先などとして、宮城県山元町が整備する宮城病院周辺地区の新市街地予定地で、土中から点滴の瓶など医療廃棄物が見つかっていたことが分かった。土地を所有する独立行政法人国立病院機構宮城病院は町や県などと協議し、処理計画の策定を急いでいる。
町などによると、医療廃棄物は5月中旬、文化財調査の際に予定地北側の深さ約1メートルから見つかった。点滴の瓶やチューブ、針がジュースの缶など生活ごみに交じっていた。試掘の結果、廃棄物は半径十数メートルの範囲に点在しているとみられる。
病院によると、いずれも製造から30年以上経過しており、医療廃棄物処理が厳格化された1992年の廃棄物処理法改正前に捨てられたという。
病院は廃棄物の処理を終えてから土地を町に売却する方針。村上良弘事務部長は「きちんと処理すれば居住に問題はない」と説明した。
新市街地予定地は同町高瀬の国道6号沿いにある病院北側の8.5ヘクタール。町は2014年度末に造成を終え、集団移転世帯の分譲住宅や災害公営住宅計130戸などを整備する計画。斎藤俊夫町長は「病院側と連携して短期間で処理できるように取り組みたい」と話す。
移転希望者や周辺住民らでつくる宮城病院周辺地区まちづくり協議会の高橋清次会長は「病院の近くで安心して暮らしたいと願う希望者は多い。早く処理を済ませ造成に入ってほしい」と求めた。
町はJR常磐線の内陸移設に伴う新山下駅周辺地区、新坂元駅周辺地区にも新市街地を整備する。両地区は14年度の完了を目指して造成工事に着手している。
出典:河北新報社