小山市の菜種油で循環型地域づくりへ/栃木県
2008/12/26
ニュース
地球温暖化対策の一環として小山市が進める「菜の花プロジェクト」で、菜種の栽培面積が約5・2ヘクタールと昨年の約7倍に広がり、計画通り進めば来年は1000リットル以上の菜種油を精製できる見通しだ。市は、菜種生産を拡大し学校給食などに使用、その後は廃食油を回収し、バイオディーゼルエンジン燃料(BDF)化するなど菜種を中心とした資源循環型の地域づくりを目指すという。
菜の花プロジェクトは、市内に増える耕作放棄地などに菜種をまき、収穫した菜種で菜種油を精製し学校給食に使用。使用後は、使用済みの廃食油を回収しBDF化し、ディーゼル自動車や農業用機械などに使用する資源循環型の地域づくりを目指す計画だ。
使い終わった菜種油のBDF化は、滋賀県東近江市や群馬県甘楽町などで進められているが、小山市では平成19年度に約70アールにまいた菜種から今年7月上旬には650キロの菜種を収穫した。うち600キロを宇都宮市の油脂製造会社に精製を依頼、137・5キロの食用油の精製に成功した。これで1缶(1・25キロ入り)の試供用缶を110缶作り、栄養士や調理師、総菜業者などに配布。食味や食感、価格など学校給食に使用できるかどうかを調べ、可能ならば来年度以降の商品化を探っている。
今年10月には、来年の菜種油に使う菜種が、耕作放棄地(約2・4ヘクタール)も含め計5・2ヘクタールにまかれた。計画通り進めば、10アールあたりの菜種収穫量は100キロのため、5・2トンの菜種が収穫でき、菜種油は1170リットルを精製できる見通しだ。
市では、菜の花プロジェクト推進のため、今後は農家との連携を強化し菜種生産を増やし、小山産菜種油の商品化を目指す一方、学校給食に使用した廃食油を回収しBDF化などを進め、資源循環型の地域づくりに向け流通面などについても検討していく考えだ。
出典:産経新聞