富山県内でブラウン管テレビの不法投棄急増 富山市は前年度の11倍
2010/04/19
ニュース
2009年度に富山県内で不法投棄されたブラウン管テレビは394台で前年度の約1.5倍となり、中でも富山市では111台と11倍に急増していることが、18日までの富山新聞社の調べで分かった。
高岡市でも倍増しており、11年7月の地上デジタル放送への完全移行を前にテレビの買い替えが本格化し、不要になったブラウン管テレビが不法投棄されているとみられる。街なかに放置するケースも目立っており、関係者が頭を悩ませている。
県内15市町村のまとめによると、09年度に不法投棄され、回収されたブラウン管テレビは計394台で、前年度の251台から143台増えた。市町村別では富山、高岡、魚津、砺波、射水の5市で前年度を上回った。
富山市では、前年度に10台だった不法投棄が、09年度は111台と大幅に増加した。家電リサイクル法で処理費用が必要なことや、09年度から民間業者にパトロールを委託、強化したことが一因とみられる。
同市は「地デジ移行や、3月末でエコポイント対象機種が減る前に買い替えが進み、不要になったテレビが不法投棄されているとみられる」(環境政策課)としている。
高岡市では09年度が139台で、前年度の69台の約2倍になった。林道脇に10台まとめて捨てられていたケースもあり、同市は不法投棄が多い場所をパトロールするなど対策を強化している。
このほか、射水市が37台(前年度32台)、魚津市が24台(同22台)、砺波市が13台(同12台)と増えた。
一方、南砺市では09年度が10台で前年度の24台から半減したが、店舗近くや公共施設周辺に不法投棄されるケースもあった。砺波市は今年度に入り、今月4日のごみゼロ運動で12台を回収している。
富山市は「不法投棄されたテレビの処理費用は、基本的に自治体が負担しなければならず、それぞれが適切に処理してほしい」(環境政策課)と呼び掛けている。
家電リサイクル法 テレビ、エアコン、洗濯機・衣類乾燥機、冷蔵・冷凍庫の4品目が対象で、これらの使用済み家電は小売店が回収し、メーカーが引き取って再資源化する義務を負う。
リサイクルの処理費用は消費者の負担となり、テレビはおおむね15型以下で1785円、16型以上で2835円と設定されている。
出典:富山新聞