室蘭のPCB処理施設で漏えい計3件 基準3000倍時も報告せず
2009/12/10
ニュース
室蘭市内の有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物処理施設内で4月以降、PCBを含んだ油などの漏えい事故が3件発生していたことが7日、北海道新聞社の取材で分かった。
施設を運営する政府100%出資の日本環境安全事業(JESCO、東京)北海道事業所は漏えい事故があったことを認めた。うち1件は道や室蘭市への報告義務があったが、報告していなかった。
JESCOは、PCBの施設外流出や作業員らへの人的被害はなかったとしている。
JESCOと道、室蘭市が結ぶ環境保全協定に基づき定められた「緊急時対応マニュアル」は、1キロ当たり0・5ミリグラム以上のPCBを含む油が漏えい・流出した場合、施設内の事故でもJESCOが両者へ通報するよう義務付けている。
しかし、車載トランス(変圧器)の解体エリアで8月31日、作業員が洗浄機械のバルブを閉め忘れ、機械から洗い出されたPCBを含む使用済み洗浄液約300リットルが漏えい。ステンレス製受け皿に流れ落ちた。
現場に作業員がいなかったため被液はなく、JESCOは「そもそも作業員が液を被ることは想定していない」とするが、この洗浄液は安全基準の3千倍弱に当たる1キロ当たり1435ミリグラムのPCBを含んでいた。道と室蘭市は「報告しなければならない案件」と指摘している。
出典:どうしんweb