完全地デジ化の陰で…テレビ不法投棄急増
2011/01/06
ニュース
地上デジタル放送への移行を前に、受信機能のないブラウン管テレビの不法投棄が急増していることがわかった。
昨年度だけで全国で約8万6000台が見つかっており、自治体や地域住民が後始末に追われている。環境省などは悪質な回収業者が正規の処理場に持ち込まず、不正に利益を得ているケースがあるとみて検査強化に乗り出した。
7月の完全地デジ化を控えて投棄はさらに増える恐れがあり、対策を求める声が高まっている。
昨年12月はじめ、宮城県川崎町の山林でブラウン管テレビ18台が捨てられた。現場は隣接する団地住民らの共有林。地元行政区長の古郡金蔵さん(75)は「大切な里山を汚された。迷惑を被った上に、処理に頭を悩ませなければならないとは」と憤る。
環境省によると、リサイクルが義務づけられている家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機・乾燥機)の不法投棄は2009年度、全国で約13万3000台に上り、6年ぶりに増加に転じた。うち約65%がブラウン管テレビで、前年度比17%増と地デジ化の影響がうかがえる。同省では「10年度はさらに増えるのではないか」と警戒を強める。
出典:読売新聞