姫路市:空き瓶リサイクル事業、ずさんな随意契約 市議関与疑う声も /兵庫
2010/04/26
ニュース
◇授産施設に委託
姫路市が00~07年度に市内の知的障害者授産施設に委託した空き瓶のリサイクル事業で、市がずさんな随意契約を続けてきた。22日の市議会厚生委員会で市が明らかにした。
施設がガラスを適切にリサイクルできていない上、書類に不備があったにもかかわらず契約を続けており、市は担当者の処分を検討する。施設を運営する社会福祉法人の理事長は現職市議の家族で、市議の関与を疑う声も議会内であがっている。
市美化部などによると、施設は空き瓶を破砕してリサイクル用のガラスチップ「カレット」にする業務を受託しており、8年間で約3912トンを破砕した。
委託料は100キロ当たり700円(07年度実績)で、計約2700万円が支払われた。カレットは施設がリサイクル業者に売却し、売却益は施設の収益となる。
ところが、施設側はカレットの売却に難航し、在庫が敷地内に滞る事態が生じた。例えば、06年度報告書では約451トンの破砕に対し、出荷は約27トンにとどまった。市は状況を認識し、販路拡大を指導しながらも随意契約を継続。
今年、市が調査し、契約に必要な施設の出荷計画書が06、07年度は未提出だった点など、契約上の不備も明らかになった。
在庫カレットを施設がどう処分したかも問題となり、市が搬出先を調べている。全破砕量のうち約800トンは原材料として出荷し、約420トンは敷地内で野ざらしになっている。
このほか、施設側は敷地の造成工事に100トン、高砂市内の土地造成に2200トンを埋め立てたとしているが、裏付け資料は無い。野ざらし状態のカレットは廃棄物に該当し、廃棄物処理法に違反する可能性もある。
ずさんな契約について市監察室は「リサイクルの目的が達成されておらず、契約書類の吟味も不十分。契約管理上不適切だった」と指摘。
施設側は「破砕機購入には国や市の補助を受けており、授産事業でもある。カレット販路が見つからなくても事業を止めるわけにはいかなかった」と釈明している。
出典:毎日新聞社