大阪有機化学、廃棄物再利用でコスト減 主力工場に施設
2009/01/19
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エステル化成品中堅の大阪有機化学工業は、主力の金沢工場(石川県白山市)に、化成品の製造時に生じる廃棄物の再利用施設を新設、3月に稼働させる。廃油を再利用してボイラーの燃料とするほか、燃焼ガスから金属成分を回収する。投資額は約2億円。景気低迷による業績悪化に対応、外部委託していた廃棄処理を内製化して、コスト削減をはかる。
塗料や接着剤の原料となるナフサ由来のアクリル酸エステルなど、化成品の製造時に出る廃油などの廃棄物を再利用する。
再利用施設では、粘度の高い廃油を有機溶剤で薄めて、ボイラーの燃料として燃焼。溶剤には副生品のトルエンやメタノールを利用する。
ボイラーでつくった蒸気は工場内の加熱反応炉の熱源として利用。セ氏300度の高温となった燃焼ガスの熱も熱回収器で回収して、別の設備の熱源に再利用する。
燃焼ガスには、化成品の製造過程で廃油に溶けた触媒の金属成分が、微細粉末となって含まれる。再利用施設では、冷却した燃焼ガスを金属分離装置に送り、耐熱性の不織布でガスをろ過して金属粉を回収する。金属粉は資源業者に売却する計画だ。
大阪有機化学は自動車や住宅向けの塗料原料のほか、液晶や半導体向けの電子材料を主力としている。世界的な景気後退で、需要が急減していることから、徹底したコスト管理で経営の効率化を進める考えだ。
出典:日経速報ニュース