大津市、家庭ごみ処理有料化検討
2013/01/14
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大津市は、家庭ごみの処理の有料化などを盛り込んだ2016年度までの改訂中期財政計画をまとめた。有料化を導入する最終判断にはまだ至っていないが、早ければ16年度から実施される見通しだ。(田畑清二)
◇早ければ16年度から
市の財政は2013年度からの4年間で98億円の収支不足が見込まれている。こうした事態に対応するため、同計画では、家庭ごみ有料化など18項目の対策を挙げた。すべてを実行した場合、収支不足は60億円まで圧縮され、38億円分の効果が出る見通しだ。
収入増の対策を具体的に見ていくと、〈1〉市有財産の売却や貸し付けの推進(13年度からの4年間の効果額1億3000万円)〈2〉市税や保育料など未収金の収納率向上(同2億3500万円)〈3〉市有施設の使用料などの見直し(同7000万円)〈4〉家庭ごみ処理の有料化(同2億円)――などとなっている。
支出の抑制策では、〈1〉事業の統廃合(同12億円)〈2〉利用者の少ない土日曜の証明書発行サービスの廃止(同6200万円)〈3〉園児数減少が進む公立幼稚園の再編(同8800万円)〈4〉職員の諸手当の見直し(同1億4200万円)――などと見込む。
家庭ごみを巡っては、有識者や自治会役員らで構成する「市廃棄物減量等推進審議会」がすでに、ごみ減量の推進や負担の公平性の観点から、有料化を導入すべきだとの答申を出している。
現在、大津市では大型ごみを除き、「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」などでは、市指定のごみ袋(45リットル用、1枚10円程度)を採用。ただし、この透明の袋は、中身が見えるようにして処理担当者が安全に作業に当たれることを念頭においたもので、ごみの処理費は袋販売価格に上乗せされていない。
審議会の答申では、市民に対し、ごみ1リットルにつき1円の手数料の負担を想定。45リットル袋の販売価格は1枚45円を見込み、4人家族の場合、1か月の負担は約360円と試算する。低所得者らに対しては一定枚数の無料配布を提案する。家庭ごみ処理の有料化で、年間約2億円の収入が見込まれ、これを市のごみ処理費用の一部に充当するよう求めている。
出典:読売新聞