大同特殊鋼、強制捜査へ 有害スラグ、不正処理委託の疑い
2015/07/27
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群馬県警は、工場から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた廃棄物処理法違反容疑で、大手鉄鋼メーカー大同特殊鋼(名古屋市)に強制捜査に入る。スラグとは、鉄精製時に排出される副産物で化学物質が含まれる場合がある。同社は環境基準を超えるフッ素を含んだスラグをそのまま出荷していたとみられている。
また、同社は、渋川市の建設会社にスラグを販売する際に、受け取り金額以上の金額を販売管理費という名目で支払い、逆有償取引も行っていた。スラグを産廃として処理するには高額な費用がかかるため、事実上の引取料を支払って販売する逆有償取引は、産廃が野積みされる温床と指摘されている。
同社は、建設会社が処理資格を所持していないことを把握しながら処理委託していた疑いもあり、群馬県が同法違反容疑で刑事告訴、群馬県警が家宅捜索に着手するとしている。