堤防に産廃47トン埋め込む 業者が撤去、再工事--彦根 /滋賀
2011/02/25
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◇08年の築堤工事
彦根市開出今町の犬上川で08年に県が発注した堤防の築堤工事で、建設会社が産廃として処分すべき樹木の根や竹など約47トンを堤防内に埋め込んでいたことが分かった。産業廃棄物処理法違反に抵触する恐れがあり、住民の指摘を受けた県は同社に撤去命令を出し、堤防を作り直させていた。
24日の県議会一般質問で経緯を説明した竹中喜彦・土木交通部長は「木が腐って堤防が空洞化する恐れがあった。再発防止に努めたい」として、今後、手抜き工事への処分を強化する方針を示した。
県によると、犬上川の堤防を作り直す事業で、多賀町の山崎建設(松永靖樹社長)が07年12月~08年6月にかけて実施した。08年10月、住民が工事現場に木の根や竹が埋められた写真を県湖東土木事務所に持ち込み、県が同社に堤防を掘り起こさせたところ、大型ダンプカー5台分の木の根などが見つかった。
同社などによると、築堤場所の河畔林を伐採したところ、処分量が県の設計書の10倍以上に上ったため、一部を現場担当者の判断で埋めたという。松永社長は「担当者が誤って強度に影響はないと判断した。申し訳ない」と話している。
県は同社がすぐに工事をやり直したことなどから処分は見送った。この件を受けて、県は昨年10月以降、不適切な工事が発覚した場合に入札参加資格を停止する処分を従来より重くした。
県土木交通部監理課は「今後は工事現場の監視を一層強化したい」としている。
出典:毎日新聞社