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　江戸川支流の流山市と松戸市の境界を流れる坂川で原因不明の油流出が相次いでいる問題で、流山市は８日、流出する油の大部分は揮発性とみられ、不法投棄の可能性もあるという見解を明らかにした。流山署も廃棄物処理法違反の疑いもあるとみて、捜査に乗り出している。発生源は今のところ特定されていない。

　同市などによると、坂川流域では昨年９月から今年１０月末にかけて計１１件の油流出が確認されているという。

　中でも、１０月１３日の流出では大量の油が川面を覆い、周辺に石油系の異臭が立ちこめた。坂川の下流には県北西部と東京都東部に飲用水を供給する浄水場の取水口があり、オイルフェンスを設置するなど国土交通省などが対応に追われた。

　同市の宇仁菅（うにすが）伸介環境部長は８日の市議会で、中川弘市議の質問を受けて油流出問題について説明した。それによると、１１件の流出のうち１０件は、現場でにおいを確認した職員らの証言などから、灯油やガソリンなど揮発性の油と推定されるという。

　量的にも家庭から流れ出たものではなく、宇仁菅部長は不法投棄の可能性に言及。「警察と連携を強化したい」と答弁した。

　これを受けて、流山署なども廃棄物処理法違反の疑いも否定できないとして、慎重に捜査している。

　同市はこれまで消防や県などと協力して発生源を探し、流域の民家や事業所約２００軒に情報提供を呼びかけるチラシを配布した。しかし、今のところ有力な情報は寄せられていないという。

　国交省江戸川河川事務所によると、坂川はもともと周辺から流れ込む雨水によってできた自然の川だが、００年４月、干ばつ時に江戸川下流の取水量を確保するため、飲用水の取水を前提に利根川からの導水路を整備している。

　同省の宮下規・松戸出張所長は「坂川の水質保全は安全な飲み水確保に欠かせない。異常があれば知らせてほしい」と引き続き情報提供を呼びかけている。同出張所（電話０４７・３４３・３７２２）。

出典：毎日新聞社

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