和歌山県田辺市上富田町 梅干し製造過程の廃液からバイオマス発電
2018/01/22
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1月18日、和歌山県田辺市の梅加工販売会社である「中田食品」が、梅干しの調味廃液から発生するメタンガスを活用したバイオガス発電に着手するにあたり、発電プラント建設予定地である上富田町と公害防止協定を締結した。梅調味廃液を活用したバイオ発電は全国初。着工は2018年3月で、2019年1月に本格稼働予定。建設費用は約10億円。建設予定地は、上富田町生馬で約2,600㎡。年間発電量は、200kw/hで、一般家庭の使用電力約400世帯分に相当する。これらは全て関西電力に売電を予定しており、売上の見込みは7,800万円という。
梅調味廃液とは、梅干しを製造する際、しそ、昆布、ハチミツ、鰹節などに漬け込んだ後に残る液のこと。従来、梅調味廃液は、浄化槽に貯めバクテリアによって汚泥と水に分離。汚泥は公営下水処分場で埋め立て処理、水は河川放流している。同新プラントでは、嫌気性菌バクテリアでメタンガスと水に分離。メタンガスは発電燃料に、水は下水処理施設で処分するようになる。これにより汚泥は発生せず、処理費用を削減できる。
廃液を受け入れ、発電するまで運営管理は、同市東陽のリサイクル業「宮惣ケミカル」が請け負うという。調印式では、上富田町の小出隆道町長、中田食品の中田社長、宮惣ケミカルの宮本社長が署名し、新エネルギー創出、梅産業の発展などについて抱負を語った。