各自治体の「ごみ屋敷」に関する条例成果
2017/06/15
ニュース
ごみ屋敷の対策にはどの自治体も頭を悩ませてきたが、ごみ屋敷に関する条例を制定することで、現状把握や改善指導などがスムーズになり、ごみ屋敷解消へ成果を上げている。
いち早く条例を制定したのは、東京都足立区で、2013年1月に「足立区生活環境の保全に関する条例」を施行。環境部生活環境保全課ごみ屋敷対策係という専門の課を新設し、戸籍や税の調査を可能にし、指導、勧告も行いやすくした。また、神奈川県横浜市は昨年12月に「横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例」を制定し、状況把握のための調査やごみの排出支援、代執行などの措置について取り組んでいる。さらに、愛知県豊田市は、2015年に、ごみ屋敷で発生した火災を機に、2016年4月、「不良な生活環境を解消するための条例」を施行。市環境保全課に相談窓口を一本化した。これまで同市は、ごみ屋敷問題に関して、地域と行政の連携による、「見守り型(廃棄物の撤去支援等)」で対応してきたが、家主が支援を拒否するなど問題解決に多くの時間を要した。同条例を施行後は、ごみ屋敷への立入り調査ができる他、指導に従わない場合は、本人の同意なく代執行によるごみ撤去が可能となった。
いずれの自治体も成果を上げてはいるが、全てを解決できるわけではなく、当事者が繰り返さない環境作りや福祉的な支援も必要だ。