南阿波サンライン、ごみ不法投棄後絶たず 住民の清掃が台無し
2013/12/02
ニュース
美波、牟岐両町の太平洋沿いを走る南阿波サンライン沿いで、ごみの不法投棄が後を絶たない。両町の住民らが美化に取り組んでいるが、清掃した場所に再び捨てられるケースも目立っている。周辺地域が国土交通省の日本風景街道に登録され、さらに魅力を高めようと力を入れているだけに関係者は「美しくしようとしているところに、なぜ捨てるのか」と憤っている。
清掃後に再びごみが捨てられていたのは、美波町山河内の道路沿いの斜面。清掃に取り組む、体験活動施設・南阿波サンラインモビレージ管理人松井克弥さん(40)が10月、道路から5メートルほど下の斜面に衣類の乾燥機などの大型ごみが捨てられているのを見つけた。
投棄現場を含む道路沿いの約15メートルにわたる斜面は3月に、松井さんが知人らに呼び掛けて清掃。家電やタイヤ、空き缶など約3トンを回収した。道路近くのごみは一掃され、斜面深くにごみが残るのみとなっていた。
松井さんによると、このほかの道路沿いにも、木々や土砂に隠れて目立たないものの、不法投棄されている場所が点在している。空き缶などの家庭ごみに加え、業者が捨てたとみられる廃材もある。
最近は一度に大量に捨てられるケースは確認されていないが、空き缶などのポイ捨てや家庭ごみを持ち込んで投棄するケースが目立つ。松井さんは「道路から見えにくい場所は油断すると増えてくる」と嘆く。
南阿波サンラインは、太平洋や美しい海岸線を楽しむ観光客も訪れる。案内するボランティアガイド会日和佐の榮清文さん(65)=美波町奥河内=は「不法投棄の監視や取り締まりを強化できないものか」と話す。
1日には、県産業廃棄物協会などの協力を経て、住民らでつくる南阿波サンライン活性化協議会が清掃活動を行う。松井さんは「捨てられた場所で地道に取り除いていくしかない。ごみを捨てられない環境にしていきたい」と話している。
出典:徳島新聞