北海道白老町 バイオマス燃料化施設 来年3月事業廃止
2018/11/13
ニュース
11月9日、北海道白老町は、廃プラスチックなどを原料にボイラー用固形燃料を製造していたバイオマス燃料化施設「エコリサイクルセンターしらおい」を廃止すると発表した。廃止時期は2019年3月。同施設では、一般廃棄物を高温高圧処理して固形燃料化していた。
同施設が稼働したのは2009年で、日本製紙北海道工場白老事業所敷地内に整備された。総事業費約14億円のうち、約7億円は、農水省の補助事業「地域バイオマス利活用交付金」を活用。当初の計画では、年間11,000tの固形燃料を生産する予定だったが、製品の品質に問題が発覚し、初年度の生産量は2,620t(計画の約24%)だった。機能改善工事など、対策を図ったが、品質は向上せず、生産量も目標の約50%ほどだった。同施設の維持費が財政を圧迫し、2014年4月に高温高圧機を停止。2017年度以降、高効率な生産方法を室蘭工業大学と連携して研究したが、生産量は1,388tにとどまっていた。
2017年5月、会計検査院が実地検査を行い、交付金によって整備された高温高圧機が稼働されていないことから補助目的が達成されていないと判断された。生産量が低迷しており、今後も高温高圧機の稼働は難しいことから、交付金の一部である8,550万円の国への返還を求めた。この他に、事業廃止に伴った交付金や起債残高の一括償還により、合計で5億65万9,414円の返還額となる見込み。同町は今年度中に返還するとしている。
来年度以降、廃プラなどの資源ごみは、登別市に処理を委託する予定だという。