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再生資源輸出 量急拡大も問題頻発 発生減などによる品質悪化で

2009/05/25

ニュース

 昨年後半より米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な景気悪化は、我が国再資源化業界を直撃。価格の暴落と発生の激減などで、再資源化業界としてもこれまでの好況から一転して極めて厳しい状況を迎えている。ただ、依然として以前品目によって温度差はあるものの、相場については底打ちムードも指摘されるところとなっている。これは、主に巨額の緊急経済対策を打ち出した中国における需要の急増が要因と見られ、世界的な景気悪化に伴い、国内での需要低迷が続く金属スクラップや古紙などの行き先を失った我が国の再生資源は、凄まじい勢いで中国を主としたアジア市場に流出。これが相場を下支えあるいは牽引する格好となっているのが現状である。

 既に今年一~三月までの日本からの再生資源の輸出量については、鉄スクラップで230万トン弱、古紙で120万トンを超えるなど過去に例を見ない高水準となっており、中でも中国向けは鉄スクラップで150万トン超、古紙でも100万トン近くが輸出されるなど突出している。この我が国の再生資源の中国を主とした海外市場への依存は、景気後退が長引くことが予想されるなかで、今後も続くと見られる。

 しかしこうした再生資源輸出の活況の一方で、問題も続出しているのが実情だ。特に今年に入ってから金属スクラップなどで輸出先国が禁止しているものやゴミなどの混入被害が相次いでいる。具体的には、金属スクラップでは、バラ積みで土砂や廃プラスチックなどのゴミや異物混入で検収落ちとなる事業者が後を絶たず、また、コンテナでは、中に生活ゴミや中古品などを隠し積むといったケースも発覚しており、輸出先国で摘発を受ける事例も少なからず起きているようだ。

 このような事態についてある金属スクラップ事業者は「景気悪化によりスクラップの発生が乏しいなかで、我々事業者が追い詰められていることの顕れだ。ゴミでも何でも積んで少しでも重量を稼がなければいけなくなるくらい扱い量が落ちており、こうした状況がすぐに改善するとは考えづらい」と語る。

 中国へのスクラップの検査を行う機関では、これら貨物の品質悪化を受け、今月より検査の厳格化を表明するなどの対応に乗り出しているが、既に海外では日本からのスクラップ品質に対する信頼が揺らいでいるのが実情だ。こうした問題が更に頻発するようであれば、国内だけでなく、海外への販路を失うことにもなりかねない。我が国再資源化業界としてもモラルを保ち、貿易の適正化に向けた一刻も早い対応が求められるところとなっている。

出典:日刊資源新報

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