全面停止、ごみ「限界」/平塚市の焼却場
2009/03/13
ニュース
平塚市のごみ焼却場の三つの炉すべてが使用できず、ごみが大量に積み上がる非常事態に陥っている。もともと二号炉は定期整備で運転を止めていた中、一号炉で国の基準値を超えるダイオキシン類が今月十日に検出され、測定中の三号炉とともに運転を停止したためだ。場内には容量を超える千五百トン余りのごみが累積し「すでに限界」(同市環境部)。全面的な再開のめどは立っておらず、同市では近隣自治体に緊急的な受け入れを求めている。
平塚市のごみ焼却場「市環境事業センター」(同市大神)は一九八八年に操業を開始し、約一ヘクタールの敷地に三炉がある。一日の焼却能力は計二百四十トンほどで、市内のごみ処理にはギリギリという。施設の老朽化が進んでいるため、市は隣の大磯町とごみ処理の役割を分担し、四年後には焼却場を新設する計画を進めている。
今月十日、県による排ガス測定の結果が出た一号炉は基準値の一・三倍となるダイオキシン類が検出されたため、稼働を停止した。翌十一日には測定結果を待つ三号炉も安全面を優先して止めた。市は「排ガスは健康に被害が及ぶレベルではない」と説明。施設の老朽化が一因とみている。
残りの二号炉は二月半ばから約一カ月の定期整備中。これに伴い同市では一日五十トン分を茅ケ崎市の施設で有料焼却処分してもらう契約をしていた。
そうした中で全面停止の事態に。運ばれてくる一日平均約二百トンのごみは処理できず、深さ十五メートルの集積場からあふれ始めている。
同市は、まず茅ケ崎市にごみの代替焼却の期間延長や増量を要請。さらに、藤沢や大和市にも協力を呼び掛け、十六日には分散して搬送を始めたい考えだ。
二号炉の運転再開は十六日。一号炉は修繕し、四月半ばの見通しだが、三号炉は未定。市は「全炉ストップは過去に例のない非常事態。市民に心配を掛けて申し訳ない。ごみの減量化、資源化でも協力をお願いしたい」と話している。
出典:カナコロ