伊賀市、搬入拒否へ ダイオキシン汚染物
2011/01/28
ニュース
高濃度のダイオキシン類汚染で廃炉になった焼却施設「豊能郡美化センター」(大阪府能勢町)から出た、焼却灰などドラム缶148本分(約22トン)の未処理汚染物を、伊賀市の産業廃棄物処理業者に搬入する許可を大阪府豊能、能勢両町でつくる豊能郡環境施設組合と府が伊賀市に求めていることが、同市などへの取材で分かった。
内保博仁市長は拒否する方針を固めており、28日に市議会へ説明。府と同組合へは3月上旬までに拒否の回答をする予定という。
伊賀市環境政策課によると、同組合は、この産業廃棄物処理業者が2006年以降、同センターから出た高濃度廃棄物を処理した実績があることから、今回の汚染物の搬入を求める要望を08年9月から提出していた。3回目の要望となった昨年9月には、大阪府も橋下知事名で許可を求める要望書を同市に提出していた。
今月17日に伊賀市内で同組合が地元住民らに説明会を開いたが、搬入反対が多数を占めたという。こういった状況を受けて、伊賀市も拒否の方針を決めたという。
同課の担当者は「汚染物のダイオキシンが高濃度であることに加え、風評被害の可能性もあることから結論を出した」と説明している。
同センターのダイオキシン汚染問題では、00年の公害調停で06年末までに両町と組合が汚染物を無害化処理する約束だったが、ドラム缶148本分の汚染物は処理を受け入れる施設が見つからず、能勢町役場の敷地内の防災倉庫内に保管されている。
この汚染物について同組合は今年3月までに無害化処理を終えるよう努めるとした協定書を住民側と09年に結んでいる。同組合の水間健二環境監は朝日新聞の取材に対し「伊賀市からまだ回答がきていないのでコメント出来ない」と話している。
出典:asahi.com