今治市が1億円で撤去へ リサイクル会社倒産し放置 /愛媛
2009/01/31
ニュース
今治市が所有する「今治港蔵敷ふ頭」(同市天保山町6)で、古タイヤなどを野積み場に仮置きしていた市内のリサイクル会社が倒産したため産業廃棄物が放置され、市が約1億円をかけて撤去処分をすることが分かった。市によると、放置による周辺への健康や環境被害は無いという。市港湾管理課は「いつまでもこの状態にするわけにはいかず、処分は致し方ない」としている。
同課によると、野積み場は瀬戸内海に面し広さ約7500平方メートル。敷地内に古タイヤ700~800トン、冷蔵庫約500台、廃プラスチックごみ約1500立方メートルなどがあり野ざらしになっている。
市によると、同社は01年度から月約73万円で市から借り受け、野積み場にいったん集めた金属スクラップを中国や韓国に輸出していたという。06年度ごろから使用料支払いに遅れがあったことから市は07年度から同社に使用許可を与えず、同社は同所を不法占拠の状態に。その後市は廃棄物の撤去を口頭で指導したが、同社は占拠し続けたという。
市は08年4月、同社の代理人から破産手続きに入った連絡を受けた。同社に撤去費負担能力が無いため、市は同5月、同社の市条例に基づく原状回復義務を免除した。
同課は同5月以降現在も、廃棄物の種類ごとに処理業者を探しているが、全体の処分に約2年、古タイヤだけで半年ほどかかるとみている。同社の元社長は市に対し、「税金を使うことになり申し訳ない」と話しているという。
出典:毎日新聞