京都市がごみ屋敷に文書指導 条例初の撤去要請
2015/07/09
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7月8日、京都市は、自宅に物をため込み、近隣住民に悪影響を及ぼしかねないごみ屋敷の対策条例に基づき、京都市右京区の50歳代男性に対し、文書指導を行った。2014年11月の条例施行以降、初の文書指導という。
これまでの指導では、ごみの解消には至っておらず、近隣住民の日常的な通行の妨げになっているとして、所有家屋内や周辺道路に置かれたもの、2階ベランダにあるごみを14日までに撤去するよう求めている。指導に従わない場合は、勧告、命令などを経て強制撤去の手続きに入る。
市によると、男性は所有家屋前の私道に高さ2メートル、長さ4.4メートル、幅0.9メートルに渡り物を積み上げている。また、老朽化した2階ベランダにも大量の荷物を置いており、崩落の危険があるという。車いすを使用している近隣住民は介助がなくては通れない状態で、日常生活に多大な支障が出ている。
同条例の制定に際して「撤去だけでは解決せず、居住者の支援充実が必要」など反対意見も多く、市議会は撤去時に慎重な対応を求める付帯決議を全会一致で可決している。
市は男性側に、繰り返し撤去を求めてきたが、改善が全く見られず、弁護士、医師、学識者への意見聴取を行った。その上で、「強制措置を視野に手続きを進めることはやむを得ないが、生活相談などの支援継続を」との判断が得られ、文書指導に踏み切った。