事業系ごみ不正搬入 小山市の委託業者 5年7カ月間 家庭ごみに混ぜ
2010/02/02
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小山市が家庭ごみの収集を委託している「網戸(あじと)美化センター」(同市網戸)が二〇〇四年一月から五年七カ月にわたり、事業系ごみを家庭ごみに混ぜて処理施設に持ち込み、処理手数料約百万円を不正に免れていたことが一日、分かった。
市は一月九日から、同社を他の業務での入札に関して指名停止一カ月の処分にし、処理施設を運営する小山広域保健衛生組合へ手数料を納めさせた。
市などによると、同社は市から年間約一億円の委託料を受けて市南部で家庭ごみを収集しているほか、複数の民間事業所から料金を取って事業系ごみを収集している。
ごみは同市塩沢にある処理施設「中央清掃センター」に搬入し、事業系ごみについては処理手数料(一キロ当たり二十五円、〇七年三月までは同十五円)を同組合に支払う契約だった。
市に昨秋、「(同社が)事業系ごみを家庭ごみとして不正搬入している」との通報があり、市は調査を開始。その結果、五年七カ月の間に市内の幼稚園や福祉施設など三カ所で出た事業系ごみ計五十二トン(手数料百万円相当)を、家庭ごみ用の回収車で集めて処理施設に搬入していたことが判明した。
市の規則では、事業系ごみと家庭ごみで車両を別にして収集する決まりになっており、同社の古河正行社長は本紙の取材に「回収先の事業所が家庭ごみの回収ルート上にあり、悪いとは思いながらつい続けてしまった」と釈明した。
市の担当者は「市の委託業者が不適切な行為をしてしまったことは誠に遺憾。今後とも目を光らせるとともに、不正が起こらない仕組みをつくりたい」と説明。ただ、ごみ収集は昨年四月から今年三月までの随意契約で、業務はそのまま同社に続けさせるという。
出典:東京新聞