九州で10基目の焼酎粕バイオマス飼料化施設が竣工 – 三井造船
2009/04/09
ニュース
三井造船は8日、三和酒類(大分市)の焼酎粕バイオマス飼料化施設建設工事が完了し、このほど竣工したことを発表した。
同施設は、麦焼酎の製造過程で発生する焼酎粕(一部)をメタン発酵することで得られるバイオガスを利用して、焼酎粕を濃縮・乾燥し、飼料原料として再利用するというもの。メタン発酵とは、有機物を酸素が無い状態に置くことで、微生物によりバイオガス(メタンガス約60%、二酸化炭素(CO2)約 40%)を発生させる方法のこと。濃縮・乾燥のプロセスに石油等ではなくバイオガスを利用することで、原油高騰などのエネルギーコスト上昇による飼料製造コストを抑えることができる他、CO2排出量削減効果も期待できるとのこと。本施設の焼酎粕処理能力は、1日当たり最大140トン。
有する設備は、焼酎粕を水分約70wt%の脱水ケーキと分離液に分ける「固液分離設備」、分離液を全固形分濃度約30wt%にする「濃縮設備」、脱水ケーキを保存性・取扱性に優れた乾燥品とする「乾燥設備」、工場内のエネルギーを供給する「メタン発酵設備」、「排水処理設備」など。これらによって、焼酎粕中に含まれる有効成分を分離、濃縮、乾燥し、飼料原料としてリサイクルするという。
九州地区の同社の焼酎粕バイオマス飼料化施設は、同施設で10基目となり、地球温暖化防止と国内飼料自給率向上に寄与するものとして期待されている。同社では「今後も焼酎粕のマテリアル・リサイクル技術、サーマル・リサイクル技術に基づいたライフサイクル・ソリューション・サービスを構築し、環境負荷の低減や食品残渣(ざんさ)飼料化などの資源循環型社会に貢献する環境装置、および各種システムなどの研究・開発に積極的に取り組んでいきたい」としている。
出典:マイコミジャーナル