中戸次に産廃施設計画 自治会、漁協は反対
2009/06/25
ニュース
大分市戸次地区の山中に設置が計画されている産業廃棄物処理施設に対して、地元の戸次校区自治会協議会(徳丸勝(かつ)玩(よし)会長)が環境悪化を懸念して反対している。予定地は大野川に近く、大野川漁協も河川環境や魚類を保護する観点から、24日の総代会で反対決議をした。
大分市産業廃棄物対策室によると、産廃処理施設を計画しているのは国東市の業者。中戸次の山中1・7ヘクタールに、排出液が外部に漏れないようゴム製などのシートを張った管理型最終処分場の建設を計画。埋め立て容量は30万立方メートル。
廃棄物処理法では、施設を設置するには市長の許可が必要。現在は、法に基づく申請手続きの前に行う、市と業者の事前協議が進められている。「業者からは住民の理解を得るため、地元説明会を開いている段階と聞いている」と同対策室。
戸次校区自治会協議会は今年4月、施設の設置に反対する署名約5千人分を市に提出した。徳丸会長は「住民は、処分場からの排水が大野川支流に流れ込んで、川や農業に悪影響を与えたり、地域のイメージがダウンするのではと心配している」と話す。
大野川漁協は24日の総代会で反対決議を提案し、出席した総代、理事の全員一致で承認した。決議文では、予定地の下流側に天然アユの産卵場となる保護水面があることなどを説明し、「大野川への悪影響が懸念される施設の計画は、河川環境保全や魚族の保護、育成の観点から認められない」としている。
業者は「国東市で処分場を運営しており、これまでに管理のノウハウを蓄積している。住民の理解が得られるようしっかり説明していきたい」と話した。
出典:大分合同新聞