世界初、塩ビ壁紙の完全マテリアルリサイクルが本格稼動へ
2009/09/10
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不可能と言われた塩ビ壁紙の完全マテリアルリサイクル(以下MRと略)。この超難題にベンチャー企業アールインバーサテック(株)(網本吉之助社長/東京都千代田区)は数年前より挑戦、見事にリサイクル技術を確立して近く工場を本格稼動させる。
我国は世界一の塩ビ壁紙の生産大国。昨年こそ不況の影響で出荷量が7億平米を割ったが、それまでは常に7億平米の大台を維持していた。
塩ビは「究極の素材」と呼ぶにふさわしい性能を有しているため、壁紙としても圧倒的主流の座を占めるに到ったが、問題は表層(塩ビ)と裏打層(紙)の分離が難しい複合商品であることだ。そのため従来は廃棄された壁紙の大半が、単純焼却か埋立処分されていた。
しかし廃棄物法や建設リサイクル法により塩ビ壁紙の廃棄処分は年々厳しくなる一方。また塩ビに対するダイオキシン発生の懸念も完全には払拭されていない。加えて壁紙は年間14万トンも排出されているだけに、一刻も早いマテリアルリサイクルの技術確立が求められていた。
こうした状況の中、文字どおり満を持して登場したのがアールインバーサテックのMR塩ビ壁紙再生システム。叩解(こうかい)法と言われる独自の技術を用いて塩ビ層とパルプを高純度に分離、それぞれを塩ビコンパウンド、パルプファイバーとして再資源化するこのシステムは、薬品の使用や熱処理などを伴わない点も含めて、オリジナリティあふれる画期的なものといえる。
出典:オンラインインテリアビジネスニュース