不法投棄:島原市議が役員の会社、野菜くずを3年間 市が行政指導 /長崎
2009/09/22
ニュース
島原市議が取締役を務め、その夫が経営する農産物加工販売会社が、3年前から同市有明町の借地に野菜くずを不法投棄していたことが分かった。投棄場所にはイノシシや野犬が現れるようになり、住民からは「悪臭がする」と苦情が出たため、市は廃棄物処理法に基づき、投棄くずを処分していた穴を埋め、今後は投棄しないよう、今月2日に会社を行政指導した。
今月18日、毎日新聞の取材に対し市議は、同社が不法投棄していたことや、市から指導を受けたことについて「取材を受けるまで知らなかった」と弁明。「市民の手本になるべき立場なのに、会社が違法なことをして反省している。今後は会社の経営にも目を光らせたい」と話した。
投棄場所は山間部の県道沿いにある空き地約3200平方メートル。1キロ西には10月4日に皇太子さまが出席して開かれる全国育樹祭の会場となる百花台公園(雲仙市国見町)がある。
同社によると、空き地は農家から3年前に借り、不法投棄は借りた直後から3日に1回、多い時で1回1トン、同市有明町の会社からトラックのコンテナに積んで運んだ。貯蔵中や運搬中に傷んで商品にならなくなったショウガ、ニンジン、スイカ、ゴーヤなどを重機で掘った穴に投棄。不法行為をした意識はないといい、当初はワラや雑草をすき込んでたい肥を作っていたが、最近は捨てるだけで、時々、穴を土で埋めていたという。
投棄場所にイノシシが現れ、隣接する畑も荒らすようになったので周辺農家は2年前からネットを張り、昨年には電気柵も設置した。この農家は「野菜くずが腐り、悪臭がした。イノシシ被害だけでなく、埋めた所の地熱が高まるので冬には野犬も集まり、気味悪かった」と話した。
廃棄物処理法では大量に出る野菜くずは一般廃棄物として市町村が処分場で処分するか業者に委託して処分するかしなければならない。島原市は同社に、市が参加する一部事務組合運営の処理施設へ野菜くずを運搬するよう指導した。
出典:毎日新聞社