不法投棄車両、増加の懸念も、廃車、買い取りゼロ水準
2008/12/08
ニュース
スクラップ価格の暴落は不法投棄車両の増加にもつながりかねない。
スクラップ価格が上昇を続けていた夏前までは、廃車がリサイクル業者に次々と持ち込まれてきた。ただ、最近では「中古車ディーラーなどからの持ち込みが急減している」という。それまでリサイクル業者は持ち込み業者から廃車を買い取っていたが、スクラップ価格の低下で買い取り価格がほぼゼロ水準になり、リサイクルに回すうまみがなくなったためだ。
北関東のある自動車整備業者は「引き取った車はしばらく敷地内に寝かしておく。スクラップ相場の反転を待って売りに出す」と話す。
〇五年に施行された自動車リサイクル法は廃車を一定期間内にリサイクル業者に引き渡すよう定めているが、監督する立場の県は実態調査に手が回らず、事実上野放し状態になっている。業者が廃車をため込むにも限界がある。現状が続けば「スクラップ価格の上昇で姿を消していた不法投棄車両が再び増え始める」(茨城のリサイクル業者)恐れがある。
出典:日本経済新聞