不法投棄対策ネット:豊明の国道23号沿いに設置、ごみ捨てゼロに /愛知
2009/05/29
ニュース
豊明市の国道23号沿いに設けられた「不法投棄対策ネット」の効果が上がっている。車から路肩に向けてごみを捨てると車道に戻ってくる仕組み。中部地方整備局名古屋国道事務所が昨年末に管内(愛知、岐阜、三重、静岡県)で初めて設置した。それまで大量にあったごみがほぼゼロになったといい、新たなごみ対策として期待される。
ネットは豊明インター付近の路肩に高さ3メートル、長さ約320メートルにわたって設けた。斜めに張られ、ごみを捨てると捨てた人の側に転がり落ちてくる。同事務所は「運転手の心理として、自分の投げたごみが道路に戻ってくると捨てにくいのだろう」と分析している。ごみ捨て禁止を呼びかける標識も17カ所に付けた。
付近の路肩は、運転手が休憩するためにトラックなどの駐車が多く、車内から捨てられた食べ物の包装や雑誌などが散乱していた。2カ月でごみ収集車1台が満杯になるほどのごみが投棄され、年間約80万円の処理費用がかかっていた。
道路のごみ対策は試行錯誤が繰り返されてきた。フェンスを設けると、その上を越えて向こう側に落ちるようにごみを投げる悪質なドライバーも。同事務所は08年10月に豊明市の提案を受け、12月に市のアイデアを取り入れたネットを張ったところ、ごみ捨てはほぼ無くなった。今後は反対車線側にも設けるほか、他の国道でも普及させたい考えだ。
出典:毎日新聞社