一部飲食店が違法廃棄 県都中心部・家庭ごみ集積所が無法地帯に 群馬
2013/12/06
ニュース
11月下旬の水曜日。既にごみの回収は終了した時間帯にもかかわらず、同市千代田町4丁目の集積所は、ごみ袋が山のように積み重なっていた。しかも市の指定袋以外に、黒いポリ袋も見られる。中身も可燃ごみや空き缶、ペットボトル、スプレー缶などが分別されないまま詰め込まれ、本来はプラスチック系ごみ指定の回収日など、おかまいなしといった様子だ。
市ごみ減量課によると、飲食店が多く集まる一部集積所では20年以上前から、こうした事業所ごみが家庭用ごみの集積所に捨てられる事態が日常化している。
事業所ごみは本来、廃棄物処理法や市の条例などで事業者自ら清掃工場に10キロ180円の手数料で持ち込むか、産廃業者に依頼しなければならない。集積所への無料持ち込みは“ご法度”なのだ。
前橋中心商店街協同組合の植木修理事長は「組合の加盟店の多くは昼間の営業で、周辺の清掃を行うなど街の美化に努めている。深夜まで営業する店の中には曜日に関係なく捨てているところもあり、地域住民は迷惑を受けている」とこぼす。市の担当者も「ごみに関しては、この地域は無法地帯」と指摘する。
市は20年以上前から同地域に限定し、平日は連日、ごみ回収を行ってきた。同課は「それが違反を助長したかもしれないが、近隣住民や中心市街地ということを考慮すると、何もしないわけにはいかなかった」と説明する。また、飲食店でつくる組合にも適切な処理を呼びかけてきたが「店舗の入れ替わりが激しく、組合に加盟しない店も多いため、十分に徹底できていない」(同課)のが実情だ。
このため、市は11月から事業所ごみが捨てられる時間帯の深夜から明け方にかけて土日を含む週5日、警備員を配置。実際にごみを持ち込んできた事業者にはチラシを配って適切に処理するよう呼びかけている。
「少しずつ効果は出てきているが、まだ(警備員が不在の)昼間に捨てられることもある。きちんと処理している飲食店からすれば無料でごみを出すこと自体が不公平だ」
市は今後も同地域の環境浄化に努める考えだ。
出典:産経ニュース