メタンガス:生ごみから無加水で発酵 実証試験プラント稼働--釜石 /岩手
2008/05/16
ニュース
生ごみに水を加えなくてもメタンガスを発酵させてエネルギーに替える小型実証試験プラントが釜石市栗林町の市清掃工場敷地内に完成し、15日から稼働を始めた。
食品廃棄物のほか、処理に手を焼いているホタテ貝の付着物など漁業系生ごみも原料とし、低コストでの有効活用が期待できるという。
大手建設会社の大成建設(東京)が独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)との共同研究で開発した。
これまで固形の廃棄物からメタンを発酵させるには廃棄物の約4倍の水が必要で、施設の大型化や廃水処理などでコスト高となる難点があった。
前処理段階で特殊な微生物により、メタン発酵を阻害するアンモニアを除去しメタンを効率的に発酵させることに成功した。
プラントの処理能力は日量0・5トンで、60立方メートルのメタンガスを発生する。
原料は病院や介護施設、スーパーなどからの残飯、賞味期限切れ食品、調理くずの食品廃棄物のほか、魚の加工後に出るアラなども含めた漁業系生ごみ。生ごみが確保しやすく、発酵済み原料も処理できるため清掃工場内に建設した。
帆秋利洋・同社生物環境チームリーダーは「メタンガスは発電や燃料に使える。09年度まで試験を続け、全国の自治体や民間の食品加工場に普及させたい」と意欲を燃やしている。