ミダックが産廃施設建設中止
2010/05/07
ニュース
豊橋市東細谷町に産業廃棄物の焼却施設建設を計画する静岡県浜松市の産廃処理会社・ミダック(矢板橋一志社長)は4月末、同施設の設置許可申請の取り下げを豊橋市に行っていたことが分かった。不景気により、取り扱うごみの量が減少したことなどが理由で、事実上の建設中止とみられる。
処理量は1日60トン。06年6月に建設計画を発表して地元住民との事前協議を開始、08年11月に本申請を行った。昨年4月からは、市の専門委員会により計画内容の検討が続けられていた。
同社は申請取り下げの理由を「国内の経済情勢悪化によるごみの減少、採用するプラントメーカーの組織統廃合による外部環境の変化に対応できなくなったため」と説明している。
4月22日に地元自治会役員に事情を説明、同30日に担当部長ら社員3人が豊橋市役所を訪れ、廃棄物対策課に申請取り下げ願いを提出した。
同施設の建設には、計画発表直後から東細谷、細谷、豊清、三弥、弥栄、原、中原の近隣7町がそろって反対を表明。住民による建設反対グループも発足し、豊橋市長や市議会にたびたび計画中止を求める要望書や陳情書を提出するなどの活動を展開していた。
同社は07年3月、石原産業(大阪市)が三重県・四日市工場で製造した産業廃棄物「フェロシルト」を豊橋市内の処理場に搬入して処理する計画を発表。その後、中止に追い込まれる騒動が起こっている。
この焼却施設建設の過程でも、同社は市が求める事前手続きを経ずに許可申請を強行するなど、住民から根強い反発があった。
出典:東日新聞