セコム子会社、廃品リサイクル参入 外部販売狙う
2012/01/30
ニュース
セコムの子会社でセキュリティー機器の製造などを主力とするセコム工業(宮城県白石市、新開至社長)がリサイクル事業に乗り出す。これまでは廃棄業者が有償で同社の廃品を回収していたが、2013年1月からセコム工業の社内で廃品を資源別に細かく分別し、リサイクル業者らに販売する。新たに工場を建設し、外部販売により年間2億円程度の増収を狙う。
顧客の事業所などから取り外したセンサーや監視カメラなどを主なリサイクルの対象とする。東日本大震災の影響で、同社の白石市内の社屋が被災したため、同市内に新工場を移転する。
現在は同市内の4拠点に事業所や工場を分散しているが12年末に予定する新工場の完成後は拠点を2カ所に集約、生産効率の向上につなげる。新工場の建物は本社と工場を兼ねる2階建てで総工費は約25億円。
13年1月の新工場の稼働に合わせ、廃品を資源別に分類する作業員も26人に倍増し、リサイクル事業を後押しする。地元採用を徹底し、雇用促進にもつなげる。
現在は再利用が可能な商品を担当者が分類、修理して再出荷してきたが、再利用が不可能なものは廃棄業者が回収してきた。使用済み機器類の廃棄量は年間1000トン程度で、引き取り費用は同8000万円程度に達していたという。
今後は再利用不可能と判断した機器類は廃プラスチックや金属くず、線材など資源別に細かく分類し、それぞれのリサイクル業者に販売する。販売による増収効果は最大で年間1億円程度に達するとみている。
セコム工業は屋内外型の炎感知器やオンラインセキュリティーシステムなどを製造し、主にセコムに納入している。このほか植物工場の運営や使用済み防犯機器の修理業務も手掛けてきた。
11年3月期の売上高は約90億円。震災後にホームセキュリティー需要などが拡大したことを受け、12年3月期の売上高は前期に比べて約2割増の110億円となる見通しだ。
出典:日本経済新聞