シャープ、パナソニックが解体ライン 薄型テレビ リサイクル対応
2009/04/02
ニュース
家電リサイクル法の対象に薄型テレビを追加した政令が1日に施行されたことを受け、家電大手が本格的な対応に乗り出した。シャープはグループのリサイクル工場と共同で、薄型テレビ専用の解体ラインを新設したほか、パナソニックも系列のリサイクル工場に専用ラインを設けるなど、今後の規模拡大を見据えた再利用の取り組みが進みつつある。
シャープなどが出資する関西リサイクルシステムズは、第2工場(三重県伊賀市)に約3000万円を投じ、液晶・プラズマなど大画面の薄型テレビに対応した解体ラインを設置。ブラウン管テレビに比べ、大画面化が進んだ薄型テレビを安全・迅速に解体するため、専用の搬送装置や解体時に製品を反転させたり、斜めに固定したりできる作業台などを、独自の技術で開発した。
100台程度の廃棄テレビが集まってから、ラインを稼働させるため初日の1日は実際の解体作業は行われなかったものの、今後は1台当たり平均18分の解体時間の効率化など、実際の作業と並行して改善に向けたデータ収集などを行うという。
また、パナソニックのグループ会社、パナソニックエコテクノロジーセンター(兵庫県加東市)も、薄型テレビを解体するための専用ラインを構内に設置。「リサイクル素材を取り出して、再び新しい商品を作り出す材料として生かす」(同社)として、部材の回収などを進める方針だ。
家電メーカーからは「薄型テレビの本格的な普及はここ4、5年で、当面の回収は過去の小型が中心となる」(関係者)との声もある。ただ、電子情報技術産業協会(JEITA)の調査では、2010年にはブラウン管テレビの国内出荷台数がゼロになり、薄型テレビのみの出荷となる見通し。これに伴い、薄型テレビの廃棄台数も11年には100万台を超える見通しとなっている。11年のテレビ放送の完全デジタル化による買い替え需要も加速するとみられており、今後、一層のリサイクル対応強化が求められそうだ。
出展:フジサンケイビジネスアイ