ゴルフ場隣接地の不法投棄:ずさんな廃棄物管理 周辺農家、不安の声 /新潟
2009/05/27
ニュース
「環境を大切にします」--。紫雲ゴルフ倶楽部(新発田市)のホームページには、こんな言葉があった。08年10月に日本女子オープンゴルフ選手権が開催されたゴルフ場の隣接地に、元大会準備室責任者ら3人が廃プラスチックなどを埋めた疑いで逮捕された不法投棄事件。名門ゴルフ場のずさんな廃棄物管理に、付近の農業関係者からも不安の声が上がった。
同選手権は宮里藍選手らも出場した国内女子4大大会の一つ。9月の新潟国体の女子ゴルフ競技会場にも指定されている。
逮捕された元準備室責任者の枝並哲容疑者(60)=新潟市江南区=は、08年秋までゴルフ場の契約社員として雇われ、選手権に向けて駐車場などの改修工事数十件を担当。業者との交渉や見積もりをしていた。
県警生活保安課などによると、不法投棄された隣の山林ではコース整備に使う砂が長年採取され、大きな穴が開いていた。ここに選手権の臨時駐車場(約2500平方メートル)を整備することになり、桐沢建設(新発田市)が工事を受注。枝並容疑者が同社副社長の桐沢勝幸容疑者(52)に依頼し、08年4月上旬、同社員の中沢武容疑者(40)が廃棄物を埋めたとされる。
投棄されたのは、廃プラスチックや伝票など1・6トンで、顧客が特定される個人情報もあったとみられる。この他、改修工事で撤去されたアスファルトなど、見つかった廃棄物は計10トンに上った。同課などは、組織ぐるみの可能性もあるとみて調べている。
投棄場所の周辺には畑が点在し、土壌汚染の危険もあった。近くでタバコを栽培する安達美代子さん(50)は「なぜ地元を汚すのか。本当に頭にくる」。40代農業男性は「作物に影響が出ては困る」と心配そうに話した。
ゴルフ場の長谷部順彦支配人は「松の植樹やごみの分別など環境問題には配慮してきた。事件の詳細はコメントできない」と話した。
出典:毎日新聞社