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エコ流し台:都賀のベンチャー企業開発、排水から油脂を分離回収 ニーズ拡大 /栃木

2009/02/18

ニュース

 ラーメンの残ったスープや、食器についた油を回収し、石けんやタイヤなどにリサイクルする取り組みが注目されている。都賀町のベンチャー企業、「大都技研」(同町家中)が10年前、排水から油脂を分離回収できる専用流し台を開発。回収・再生利用のシステムを確立したことで、現在は県内外160社にまで取引先を伸ばしている。環境に優しい上に、飲食店などの大幅な経費削減につながる技術として、ますますニーズは拡大しそうだ。

 同社は99年、水と油を比重などで分離するエコ流し台「グリス・ECO」を開発した。シンクの中で食器を洗うのは通常と同じだが、排水は分離装置を通じて水と油に分けられ、油脂の99・5%を回収できるという。

 飲食店などから流された油は、水質悪化の原因になる上、排水管や下水道管の目詰まりの原因となり、汚泥処理費の増加を招いていた。特に油混じりのスープを大量に流し捨てるラーメン店にとって処理費は重荷で、悪臭の元ともなるため、行政の改善命令や近所からの苦情に頭を抱えるケースも多かった。

 エコ流し台を開発した佐藤秀雄社長(47)は07年、県内外の運送回収業者やリサイクル業者に呼びかけ、「油脂回収・資源化システム推進協議会」を発足させた。エコ流し台で油を分別回収するだけでなく、回収した油は運送業者を介して資源化・製品化工場に供給し、石けんやタイヤ、化粧品やプラスチック製品に生まれ変わる仕組みを確立した。

 同システムを利用すると、飲食店の場合、年間処理費は7分の1~3分の1に減り、悪臭も抑えられるという。佐藤社長は、「排水管の目詰まりもなくなり、行政の下水道清掃費も軽減できる」と胸を張る。

 県もこの取り組みに着目し、07年度から始めた「とちぎの3R推進支援事業」に認定。150万円を助成した。同事業の採択は09年度までだが、1社だけでなく他社を巻き込んだ循環型システムを構築することが条件。ハードルの高さもあって、認定されているのはいまだに同協議会だけという。

 最近では、県外の給食センターや、食肉加工所からの依頼も舞い込む。佐藤社長は「油の再生利用は環境に優しい。海外などにも広められたら」と話している。

出典:毎日新聞

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