エコパーク一部稼働 爆発部は無期延期
2010/04/02
ニュース
作業員9人が重軽傷を負う爆発事故が起きた姫路市網干区網干浜の複合施設「エコパークあぼし」で1日、ごみ処理施設部分の操業が始まった。
爆発があった施設内の「健康増進センター」は大破し、姫路市は7月の開業を無期延期と決めた。現場検証を続ける県警は、地中から発生したガスが爆発につながった可能性を調べている。
ごみ処理場へはこの日午前8時ごろから、収集車が次々と入っていった。市内の可燃ごみの約70%を焼却処分し、ペットボトルや紙パックなどの再資源ごみは市内全域から集まる。健康増進センターはその北側で建設されていた。
網干署は事故翌日の3月26日から現場検証に入り、センター建設地の土中の排水管から可燃性ガスを検出。建設作業では可燃性ガスは使われていないことなどから、同署は地中で発生したガスがたまっていた可能性が高いとみている。
エコパークあぼしの用地整備には、産業廃棄物や下水道汚泥などが使われ、埋め土全体の約20%を占めた。揖保川の川底から浚渫(しゅん・せつ)したヘドロも使われている。
ごみ埋め立て地ではこれまでも爆発事故が起きている。1975年、東京都江東区の「夢の島」で、マンホールに充満していたメタンガスが爆発、作業員3人が死亡した。
また、89年には、大阪市の国際花と緑の博覧会の会場の約100カ所のマンホールから、高濃度のメタンガスが検出された。会場敷地はごみで埋め立て造成されていた。
ごみ問題などを研究している「環境計画センター」(京都市)の鍵谷(かぎ・や)司専任理事は「汚泥などの有機系の廃棄物を埋め立てた場所では、可燃性のメタンガスや硫化水素が発生するのは当たり前で、工事前にガスの成分や発生量を調査し、建物内へ流入しないような排気対策を講じるのが基本。建設関係者にこういった認識があったかどうかが、問題になるだろう」と話す。
出典:asahi.com