また壕と人骨 那覇市首里久場川町/沖縄県
2009/03/30
ニュース
首里久場川町の保育園建設地から日本軍のものと思われるドラム缶8缶が見つかった問題で、那覇市は27日午後、地中に取り残されていた最後の1缶を引き上げ、油とみられる液体と汚染された周辺の土を吸引車を使って除去した。液体と汚泥は産業廃棄物として処理する。また、同じ工事現場内から新たに沖縄戦中のものと思われる壕と人骨も見つかった。翁長雄志市長らは同日夕、現場を視察した。
この日も周辺には油の異臭が充満した。作業中に新たなドラム缶は発見されず、市は現場を埋め戻し工事を継続する方針。県中央保健所は水質汚染を調査するため周辺の井戸水を採取したが、油の臭いはなく「影響は考えにくい」としている。
壕は通路部分が現れた形で、市文化財課によると奥行きがあり、途中で左に折れる別の通路も確認できるという。人骨は大腿骨や骨盤、肋骨(ろっこつ)の一部など。保育園建設地に隣接する久場川市営住宅の建設地ではこれまでにも数カ所で日本軍のものと思われる壕や人骨が見つかっており、地域に詳しい久場川市営住宅自治会の玉城勲会長は「40年前の市営住宅建設の際にも壕が出て工事が止まったことがあった」と話していた。文化財課は来週以降、安全性を考慮した上で壕や遺物の調査を行う方針。
出展:琉球新報